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中小監査法人のメリット・デメリット

監査法人には他の企業と同じように大手と中小の監査法人があります。

私は最初のキャリアとして中小監査法人を選択しました。

実際に体験した経験をもとに中小監査法人のメリット・デメリットをご紹介いたします。

 

 1.私が中小監査法人を選択した理由

こちらの質問にズバリ回答するなら

「内定もらえたのがその中小監査法人1社だけだったから」

というのが答えです(笑)

何の夢も希望もない回答で申し訳ないですが、私が就職活動した時期はリーマンショック後の就職氷河期の時代で、会計士試験に合格しても監査法人に入れないという時代で、監査法人に入れただけでもラッキーというような状況でした。

 

本音を言えば、入れたなら大手監査法人に入りたかった(笑)のですが、中小監査法人での経験が無駄になったかと言えばそうではありません。

中小監査法人には中小監査法人のメリットもありますので、実体験から思った中小監査法人のメリットデメリットについて以下ではお話ししようと思います。

 

2.中小監査法人のメリット

2−1.一番の魅力

実際に中小監査法人で2〜3年働いてみて、私が感じた中小監査法人の一番メリットは

習うより慣れろで、新人でも様々な経験をさせてくれる

今でも強烈に覚えていますが、私の初めての仕事は入所4日目で現場に出て、現金実査を行ったことです。

入所後、3日間は最低限の研修をへて、4日目から現場に行かされるわけですが、クライアントに到着早々に先輩から言われたのが

「今日現金実査の日だからやってみる?」

これ資格の大原の監査論で習ったことあるやつや!、と進研ゼミばりに興奮しました。

現金数えればいいだけでしょ?簡単じゃん、って思ってましたが、簡単に思えるようで全然思うようにできなかったことを覚えてます。

まず緊張します。初めての社会人で、現金が入った金庫を持ってきてくれたのがそのクライアントの部長さんで結構お偉いさん。

そのお偉いさんと先輩に見つめられながら何十万くらいある紙幣や硬貨を数えるわけです。

そんな大金を数えたことないし、何より緊張で手が震えてなかなかうまく数えられないです。

帳簿と照らし合わせても合わない。。あ、ダブって数えてた、、もう一回数えます、、

部長「・・・・・」(時計チラッ)

先輩「・・・・・」(ため息)

何とか無事に終わりましたが、ほろ苦い社会人デビューです。

こんな感じで早いうちからどんどんと色々な仕事を現場に出て学んでいきます。

大手監査法人だと入所後1〜2ヶ月は研修でこの辺のことを訓練するのでしょうが、中小監査法人だと現場で学ぶことになりますので、大手の方より現場経験は増えます。

さらに入所後2年目になった際に上司に言われたことは

「あそこのクライアントのインチャージ(主任)やっといて」

おそらく大手監査法人はあり得ないと思いますが、2年目でインチャージを任されることもあります。

売上が数千万しかない任意監査の小さい会社ですが、社会人2年目の若造がクライアントの前面に出ることもあります。

わけもわからず先輩に聞きながらやることなどを教わりこなしていってましたが、クライアントの質問に答えられなかったりで失敗続きです。

ただ同じ2年目でもこんな貴重な経験させてくれるのはやはり大手じゃなく中小ならではだと思うので、成長のスピードは格段に早いと思います。

2ー2.その他の魅力

それ以外の魅力をピックアップすると

①人数が少ないので職員全員の顔と名前がわかる

大手監査法人だと何百人といるので職員の大半が知らない人だと思いますが、中小監査法人は50人いればいい方だと思うので、ほぼ全員と顔見知りにはなれます。

事務所ですれ違っても何かしら挨拶はする仲です。情報交換はしやすい環境ではあると思います。

②パートナーとの距離が近い

大手監査法人だと新人がパートナーと話す機会はあまりないかもですが、中小だとそもそもの人が少ないので、パートナーもこちらを知ってますので、お話ししやすく話をする機会は多いです。

その中で貴重な経験談などを聞けたり勉強になることは多いと思います。

③特殊な業態や珍しいクライアントなどを経験できる

中小監査法人のクライアントは大手監査法人のように大規模なクライアントはあまりなくほとんどが中小企業相手になります。

上場して間もない企業や倒産ギリギリの会社など大手監査法人では扱わない企業が多い印象です。

これらの会社は経理体制が整っていないため、提出されてきた財務諸表のほぼ99%は間違えています。

大手企業だと経理体制が完璧だったりするので、ある程度安心感持って監査できると思いますが、そうはいきません。

集計ミスなどはザラにあり、経理全員が会計基準を全く知らなくてあるべき処理がわからなかったり、さらには不正を働こうとするような会社までいます。

そのようにスリリングな監査を経験することができます。

3.中小監査法人のデメリット

上述のようにメリットもある一方でデメリットも当然あります。

特に一番のデメリットは一番のメリットと反対になるのですが、

手探りで仕事を覚える

大手監査法人は研修も1〜2ヶ月みっちり行い、マニュアルも整備されていると思いますが、中小監査法人は大手監査法人ほどの充実した研修なく、マニュアルも形式的なものしかないので先輩に聞いたり、自分で調べて学ぶしかないのです。人によって監査のやり方が違っていたりして、何があるべきなのかわからなくなります。

なので、監査を独学で学ぶことになります。何があるべきなんだろうと悩むと思います。

また、特殊なクライアントが多いので、イレギュラーな判断が多く難易度は高いです。

そして、中小監査法人にいた頃は新社会人ということもありますが、めちゃくちゃしんどかった覚えがあります。

上述のように基本的に自分で調べて答えを探しにいくという仕事のスタンスなので、時間もかかるし、調べてもわからないことは多いです。

 

中小監査法人で求められることは

 

・自分で積極的にどうやったらベストなのかを考え抜くこと

・任された仕事をやり抜くこと

 

この2つです。

 

 

4.まとめ

キャリアに正解はないので大手監査法人に行くべき、中小監査法人に行くべき、など一概には言えないところはあります。

それぞれにメリット・デメリットがあります。

ある程度自由度があって、裁量権持って仕事できるのは中小監査法人だと思いますので、そういう早く成長したいタイプの人には中小監査法人が向いているかもしれません。

一方、特段やりたいこともなくなんとなく監査しようかなと思っている方であれば、公認会計士試験を合格して最初に行くのは大手監査法人をオススメします。

もし大手監査法人か中小監査法人かを迷われている場合は、参考にしていただければと思います。

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